やだ………


何で…………こんなこと……………

やめて………離して………

怖い…………


段々と恐怖が増していき、力が入らなくなっていった


雄斗……助けて………

怖いよ…………



「おい!!
 香音から離れろ!!」

そして触れていた唇や押さえつけられていた手が離された

力が入るはずもなく床に座り込んだ

「香音!?
 大丈夫か!?」

「…悠馬……」

「そうだよ
 もう大丈夫だからな」

「……ヒック……ゆう…ヒック………ま…………ヒックヒック……」

「大丈夫
 後は僕がどうにかするから
 美空呼ぼうか」

「ヒック………やぁ……ヒックヒックヒック………行かないで………ヒック………」

「どこにも行かないよ
 おい、佐藤
 香音に何をした」

「別に何もしてない」

「何もしないで香音がこんな風になるけないだろ!!」

「お前、大声出すなよ
 香音が怖がるだろ」

「っ……………僕はお前だけは許さない」

「前田さ、彼女いるんだろ?
 いつまで香音に付きまとうんだよ
 今だってそんなに抱きつかれて彼女のことはいいのか?」

「…………僕の彼女は香音との関係を知った上で付き合ってくれてる
 今更怒ったりはしない
 彼女、香音とも仲良いし」

「そうかよ
 まぁいいわ
 邪魔も来たし俺は戻るわ」

「あ、おい!!
 ………香音、アイツ行ったよ
 泣き止める?」

「ヒック…ゴホッ………ゴホッ………くるし……ヒック………ゴホッゴホッ……」

「発作………薬は?」

「ゴホッゴホッ……ゴホッ………ゴホッゴホッ………」

「香音!
 意識だけは保てよ!!」


悠馬………ごめんね………



苦しい…………多分無理…………




そして意識を手放した