〜雄斗目線〜







「お待たせしました」

「いえ
 鍵、ありがとうございました
 それで………………少し聞きたいことがあって………」

「………分かりました」


こうして山中先生と面談室に入り、話し始めた


「……香音から聞きました
 香音は………いつ知ったんですか?」

「……担当医が僕に代わってすぐです
 彼女自身、自分のことをどこまで知っているのか分からなくて…………様々な質問をした際に知られてしまったという感じです
 前の病院で話されていたとは思ったんですが…………香音さんは知らなかったようで……………申し訳ないことをしたなと…………」

「………………その時の香音の様子は?」

「…もう……好きな人作らないからどうでも良いと………軽く流してる感じでした
 ですが………………いざ好きな人が出来ると…………」

「そう………ですか………」

「………伝え方は悪かったとは思います
 しかし、早めに伝えたことは後悔してません
 知らずにそういった事態になった時に…………苦しむのは分かってますから
 だからこそ………あらかじめ知ってて欲しかったんです」

「香音に……背負わせていたんですね
 何も知らずに…………幸せになって欲しいとか言って…………」

「……………彼女は自分の命を軽くみている
 実際、そうなった場合自分よりも赤ちゃんの命を優先する
 でもこれは……香音さんだけの問題じゃないですからね」