「…多分………雄斗を悲しませる……」

「それでもいいよ
 香音のことは知りたいから」

「……………ごめんね
 雄斗が欲しいもの…………私じゃあげれないや」

「何のことだ……?」

「私……………子供産めないって…………
 厳密には…………産もうとしても…………私か赤ちゃん………あるいは両方………死ぬ可能性の方が高いって………」

「っ…………………」

「ごめんね…………私の身体………出産に耐えられないだろうって………
 弱すぎるよね…………雄斗が子供好きなの知ってるから………
 幻滅したでしょ……?
 私………雄斗に何もしてあげられない」

「そんなこと……!」

「……今すぐに答え出さなくて良いから
 ちゃんと考えて
 雄斗は………私といても大変なだけだから
 全然私から離れていいから」

「香音……………」

「話はこれだけ
 寒いのにありがとうね
 ここの鍵、山中先生に返してくるから先に戻ってて」

「………俺が行く
 ちょっと山中先生と話したいから」

「…………山中先生に聞けば分かるよ
 私自身……あまり聞いてないから」

「………そっか
 戻ったら暖かくして寝ろよ
 いつ戻るか分からないから
 ゆっくり休んで」

「分かった…………」


そして私は雄斗と別れ病室に向かった