「君は……凄いですよ
 色んなこと乗り越えてきて
 だからこれからも大丈夫です」

「…………両目で見てみたかったな…………」

「左目は……君が頑張った証ですよ」

「一回でいいから…………見たかった………
 みんなと……思いっきり遊びたかった…………
 なんで……記憶ないんだろうね………」

「………………………」

「雄斗と………同じ目線で同じものを……一緒に見たかった………」

「……10年後には変わってるかもしれません
 医学は日々進歩してます
 君が諦めなければ……絶対に見えるようになる日が来ます」

「…………………」

「…………君なら大丈夫です
 下山さんと幸せになってください
 それで………もっと生きたいって思えるようになってください」

「……生きたい……か………」

「君に対して………唯一の僕の願いですよ」

「……そっか
 ごめんなさい、急にこんなこと言って………
 雄斗にこんなこと言ったら…………凄い悲しそうな顔するから………」

「良いんですよ
 僕に話せることならいつでも聞きますから
 話したくなったらいつでも来てください」