「………私は…………どうしても怖い
 みんないつかは死ぬって分かってるけど…………」

「…………君はこれから大変なことがたくさんあります
 きっと下山さんは………そんな君を1番近くで支えたいんだと思いますよ
 我慢して無理する君を……助けたいんですよ」

「…………………………」

「歳を取るにつれ、好きってなかなか言えなくなりますよ
 なんか恥ずかしいというか………言わなくても分かるだろうみたいなところもありますし
 それでも、真っ直ぐに好きを伝えられる下山さんは凄いと思います
 きっと、それも君のためだとは思いますが」

「私の…ため……?」

「君が安心出来るようにするためだと思いますよ
 君は一番………1人になることを恐れているように見えるので
 それは下山さんも分かってるはずですから」

「っ…………………そんな風に見えていたんですね」

「………君は下山さんといるべきです
 きっとその方が楽しいですよ」

「………………先生……」

そして山中先生に抱きついた

「香音さん……………下山さんじゃなくて良いんですか?」

「………今はいい……………」

「そうですか………」

そう言って優しく背中を撫でてくれた

「………………こんな身体じゃなかったら………………違う未来もあったのかな………」

「っ……………」

「お母さんは恨んでないけど…………………昔から病気ばっかでさ…………左目まで失って…………出来ないことも増えてって…………お母さんや玲華まで失って………
 どんだけ私は失うんだろうね………」