〜香音目線〜

「香音さん?」

屋上で座っていると声をかけられた

「山中先生…………どうして…………」

「下山さんが後藤先生に伝えたみたいですよ
 それで後藤先生は忙しいから僕に見に行ってこいと」

「来なくて良かったのに…………」

「僕が来たくて来たんです
 それにほら、こんな薄着じゃ風邪引きますよ」

そう言ってブランケットをかけてくれた

「………用意が良いですね」

「まぁ………今までそれなりに君のこと見てきましたから
 さすがに分かりますよ、君が何も持たずにここに来るのは」

「そっか…………」

「……………下山さんと何があったのかは知りませんが……君は下山さんの手を離したらダメですよ
 そもそも離させてくれなさそうですけど」

「…………どうしてですか…?」

「………君は絶対後悔するから」

「…私が雄斗と離れたいって思ってもですか?」

「そうだとしても………後悔しますよ」

「…………雄斗が………前に進めって…………
 雄斗との幸せ………考えて欲しいって………」

「そう………ですか………」

「……山中先生は………どう思いますか…?」