少ししてから戻ると楽しそうな声が廊下まで漏れていた


コンコン

「入るぞー」

中に入ると2人とも笑顔だった

「あ、戻ってきた
 じゃあ河本、俺は戻るわ
 また来るな!」

「うん
 待ってる」

「轟、もう戻るのか?
 別にここにいてもいいんだぞ」

「クラスの奴らにも心配かけたので
 そろそろ戻らないとかなって
 それに今は大丈夫
 下山先生と話せて大分楽になったから」

「それなら良かった
 何かあればいつでも声かけてな」

「はい
 ありがとうございます
 では、失礼します」

そして轟は戻っていった

「河本、楽しそうだったな
 あんなに笑顔なの初めて見たかも」

「久しぶりに笑いましたね
 轟ってもっと真面目なイメージだったけど、話しやすくて面白かった」

「それなら良かった
 んで、話変わるけど手見せて」

「え…………何でですか…?」

「轟から聞いた
 お前、尻もちついたんだって?
 さっきはどこも怪我してないって言ってたけど念の為な」

「………全然大丈夫ですよ」

「………大丈夫なら見せても問題ないだろ
 それとも他に見せれない理由ある?」

「………………別に怪我なんてしてませんよ……」

「なら見せなさい」

「……………………………」

そしてゆっくりと服の袖を捲ってくれた

でもそこには………うっすら赤く腫れた手首があった

「バカ
 怪我してんじゃん」