「でも…………」

「助けたいならどんな手段を使っても助けろ
 後悔してからじゃ遅い
 親父なら俺がどうにかするから
 お前は親御さんを説得しろ」

「…………………」

「俺なら絶対にやる
 大切な奴は絶対に失いたくない」

「…………分かった
 絶対アイツを助ける…!
 アイツと一緒に………生きたい」

「ただ………覚悟はしとけよ
 世の中に絶対はない
 治ったとしても………無責任なことだけはするな
 彼女の人生を背負う覚悟しろ
 優しければ優しい人ほど………自分を責めるからから」

「自分を責める…………」

「あぁ
 自分がいなければ他の人が助かっていたかもしれないとか…………副作用で苦しんだり………目覚めても後遺症が残るかもしれない
 他にもさ………数年後に嫌なことが起きた時に………あの時死んでればって何回も思うかもしれない
 そういうのをお前は背負っていく覚悟はあるか?」

「…………下山先生は……彼女の人生背負う覚悟してる……?」

「俺なりにしている
 俺の彼女は………一生罪悪感抱えて生きていくことになるかもしれない………これまでずっと抱えてきたみたいだから
 それでも、生きてて良かったって思える人生にして欲しいって願ってる
 願うだけじゃなくて、そう思ってもらえるように俺が幸せにする
 彼女の生に対して後ろ向きな気持ちも含めて好きだから」

「……………俺は、下山先生みたいになれる自信はない
 でも、アイツに生きてて欲しいって思ってる
 それだけじゃ………ダメかな……」

「今はそれだけでいいと思うぞ
 轟も大人になって色々な経験すると分かるようになることもあるから
 ただ、彼女の側にいてあげろよ」

「はい!
 下山先生のおかげで少しスッキリした気がする」