「治療法が……ない…………」

「どうしようもできない………見守ることしか………
 本音を言えばずっと側にいたい………今だって………学校なんか来たくない…………」

「…………お前、よく頑張ってたな
 こんな歳で……そんなに考えてて
 そんな状況でも部活も頑張って……生徒会長までやってさ
 本当に凄いよ」

「…………でも、アイツがいなきゃ………意味がないんだよ………」

「………………轟はその子のことが好きか?
 その子の人生を………背負う覚悟はあるか……?」

「…………アイツのことはずっと前から好きです
 アイツのためなら………無理してでも頑張ります」

「………………お前は諦めてないんだよな?」

「諦めたくない
 アイツと……一緒に桜見るって約束したから」

「…………その子の親御さんを説得しろ
 それで下山総合病院へ親御さんだけでもいいから行ってみてくれ」

「下山……総合病院………」

「あぁ、一応俺の親父がやってる病院だ
 身内贔屓に聞こえるかもしれないが、日本でもトップクラスらしい
 厳しいかもしれないが受診してみてくれ
 もしかしたら、何か手があるかもしれない」