「………………俺がイラついてて……河本に八つ当たりしただけです
 やり過ぎたって思った時にはもう………あんなに騒ぎになってて…………引くに引けませんでした………
 本当にすみません……」

「そうか……
 杉島が悪かったな
 騒ぎ立てたのアイツだろ?」

「まぁ…………」

「アイツにも俺から言っとくから
 許してやって、悪気はないんだ」

「はい………………怒らないんですか…?」

「ん、何?
 怒られたいの?」

「別に………そういう訳では…………」

「反省してるみたいだし怒らねぇよ
 所詮子供の喧嘩だしな
 俺はただ仲裁に入っただけ
 あ、でも殴ったりしてたら怒るよ?」

「殴ったりはしてません…!
 ただ………ちょっとぶつかって………河本は尻もちついてたから………手とか大丈夫かなって……………」

「…………大丈夫
 さっき聞いたらどこも怪我してないって言ってたから」

「なら良かった…………」

「それで?
 どうしてイラついてたんだ?
 受験?」

「…………………………」

「…最近辛くない?
 ずっと思い詰めた顔してたけど」

「なんで……………」