「………っ
…どこ行くの……?」
何かの物音で目が覚め、起きてみると香音が靴を履いていた
「…ヒック……ヒックヒック……」
泣いてる…………どうしたんだ……?
「どうした?
おいで」
泣いている香音を抱きしめた
そしてゆっくりと背中を撫でた
「大丈夫……俺がいるから
一人で無理しなくていいからな」
「……ヒック……こわ……い………」
「そっか………怖いか……
ごめんな……俺にはこんなことしか出来ないや……
こんなことしか出来ないけど………ずっと側にいるからな」
そして落ち着くまで待った
「………雄斗……ごめん…ね………」
「ん、もう大丈夫?」
「うん…………」
「…………まだ手震えてるよ…?」
「…………………」
「変な夢でも見ちゃった?」
「……………雄斗が………いなくなっちゃった…………」
「大丈夫
俺は香音を置いていなくならないよ
ずっと側にいるから
5年後も10年後も……もっとその先も
香音の隣にずっといるから」