コンコン

ガラッ

「香音ー?」

「あ、下山さん
 話は終わったんですか?」

「はい
 香音は?」

「今眠ってます」

病室の中には山中先生と香音がいた

「………可愛い……」

「ふふっ、僕はもう行きますね
 何かあれば後藤先生が来るので
 ゆっくりしてくださいね」

「ありがとうございます」

そして香音と二人になった


さっきの香音……可愛かったな…………

距離感おかしかったけど……いつもと違って新鮮だった…!


早く戻ってほしいけど……もう少し見たいな………


そんなことを思いながら、香音が目覚めるのを待った

























「………………っ」

「…あっ、起きた?
 おはよう」

「……ゆ……と?」

「そうだよ」

「……ここどこ…?
 雄斗の家にいたはずじゃ………」

「あっ!
 香音が戻ってる〜!」

「戻った……?」

「良かった〜
 けどもう少しあのままでもいて欲しかった…!」

「あのまま?」

「さっきまでの香音可愛かったんだぞ〜
 テンション高いけどずっとデレデレ!
 もうちょっと俺にもデレデレして欲しかったなー」

「………………どうせ私は可愛くないもん……」

「そうやって拗ねてる香音も可愛いよ〜
 まぁさっきまでのは俺以外にもデレデレしてるからめちゃくちゃ嫉妬したけどな」

「…………それで?
 ここはどこなの?
 雄斗の家じゃなよね……」

「病院
 昨日の夜ここに来たんだよ
 覚えてない?」

「病院…?
 え、やだ!
 帰る!!」

そして一気に香音の表情が曇った

「どうしたー?
 そんなに嫌?」

「だって………嫌…………会いたくない………嫌なの………」

「あー、そんな泣きそうな顔するな
 ここは心療内科の病棟でさ
 後藤先生が許可した人以外入れないらしいよ
 山中先生が事情知ってるなら後藤先生も分かってるはずだよ………香音に嫌なことしてきた奴
 絶対ここには来れないから」