目の前でポニーテールにした長い髪が揺れる。
こんな乱暴なことを彼相手にするのは、クラスに1人しかいない。
そう私のもう1人の親友 宮本リサだ。
「大丈夫!?咲!!
和泉に変なことされてない!?」
和泉くんの顔を掴みながら、とても心配そうに薄い桜色の瞳で見つめてくる。

「大丈夫だから!
とりあえず…リ、リサ…和泉くん離してあげよう?」
あまりにも可哀想すぎる…
綺麗なお顔が…
「えー、しょうがないなぁ…」
少し不満そうに口を尖らせながら、掴んでいた手を離したリサ。
「プハッ
もう何すんの…?死ぬかと思ったんだけど。」
「さすがに死なないし、話盛りすぎだから。」
「天誅だな。」
悪びれもなく和泉くんに、冷たい言葉を投げるリサもそれに乗っかってる千秋くんも中々ひどい言い様だ。
「ひどくね?俺、咲ちゃんに何もしてないんだけど?」