「はぁ、そりゃどうもありがとうございます。」
まぁ全く、私は靡かないのだけど。
淡々と言い放つと、フハッと楽しそうに笑い出した千秋くん。
「ハー、もう七瀬さん最高すぎ…」
「えと、ありがと?」
とりあえずお礼を言うと
「なんで疑問系なの…?
マジでおもしろいわ、七瀬さん」
と笑いを噛み締めながら、言われた。
少年のように無邪気に笑う彼に思わず胸が鳴った。
キュン。
今のはちょっと反則ですよ、千秋くん。
ギャップがありすぎて、隠れオタクとしてはその笑顔は眩しすぎだからねっ!?
まぁ顔には絶対に出せないけど…
というか…そんな笑う?
まだ笑っている千秋くんのツボがわからない。
不思議に思ってると、
「おっ、緋色が女子と楽しそ〜に話してると思ったら、咲ちゃんじゃん!!」
おちゃらけた口調で話しかけてきたイケメン。
彼は和泉晶くん。
「晶…急に何?」
「緋色、普段女子の前で笑ったことないじゃん?
だから、なんか気になっちゃって…」
「気になっちゃって…とかキモ」
「ひどくない!?うわぁー、緋色が冷たいー!!」
「泣きながら抱きつくな!!離れろ!」
見てわかる通り、千秋くんと和泉くんは親友なんだ。
めっちゃ和泉くんが絡んでるけど…
でも、彼の前だと千秋くんは少し気が楽そう。
というか…女子の前で笑ったことないってどいうこと?
…まぁ、いっか。