「ごめんなさい。」


私の顔は、真っ赤だったと思う。


「いや。足、大丈夫だった?」


「はい。ほんとにすみません。」


私は何度も謝った。


それから。


受験のときに、また優に会った。


「君は。」


「あのときの。」


「うちの学校、受けるの?」


「はい。」


「がんばってね。」


「はい!」


テストが終わったあと。


優が玄関のところに立っていた。


「名前、教えてくれる?」


「美緒です。」


「俺は優。俺と、付き合ってくれないかな?」


「はい。」


そのときが。


二度目のキスだった。


それから、数えきれないほどキスをした。


優のキスは、私にいろいろなものをくれた。


元気。


安心。


ぬくもり。


だから。