「確かに生徒たちはみんな顔色が悪く、攻撃的になっていました。だけどそれは集団パニックだったんです。なにかの映画や本を見た影響で、自分もウイルスに感染したと思い込んだ。そして感染シたと思い込んだ生徒と接触した生徒も、自分も感染したと思い込んだ。こういうことが、実際にあるんです」

その説明に明宏はすでに落胆していた。
ただの集団パニックでここまでなるわけがない。

学校内だけじゃなく、街中が感染者だらけなのだから。
もっと有力な情報が得られるのではないかと期待してしばらくテレビをつけていたが、結局なにもわからないままだった。