安心して次々とそんなことを口にしていく。
もうすぐ1時間目のテストが始まる時間だ。
「早く片付けて行こう」

進行役の子が電池式のロウソクをカバンに入れ、続いて鏡を手にしようとした、その時だった。
鏡の覗き込んだ自分目が、こちらを見ていた。
ううん、違う。

それは自分の目じゃなかった。
真っ赤に充血して今にも飛び出してきそうなほど見開かれたその目は、誰の目でもなかった。
進行役の生徒がハッと息を飲んだその瞬間、鏡の中の目がまばたきをした。

自分の目は見開かれたままなのに、鏡の中の充血した目はパチパチと動く。
「きゃああああ!!」
朝の空き教室に、5人の悲鳴が同時に響き渡ったのだった。