どうにか教室へ戻ってきたとき、そこに新しいメンバーが加わっていることに気がついた。
同じ学年の杉川という男子生徒だ。

杉川は隣のB組の生徒で、背が高くて色白で中性的な顔立ちをしていることから女子生徒からの人気が高かった。
「よく食堂まで行けたね」
杉川は素直に驚きを表現している。

「ソンビたちは以外と弱いよ。モップの柄で攻撃すると、動かなくなる」
「死ぬんじゃなくて?」
杉川からの質問に明宏は首をかしげた。

相手が死んだかどうかの確認方法がわからない。
相手はすでにゾンビなのだから、呼吸や脈を確認したって意味はなかったはずだ。

「わからない。倒れただけかもしれない」
「でもそれだけわかれば十分。ゾンビは音でおびき寄せられて、モップで殴ると動かなくなる。問題は数だな。どんどん増えていってるからそう簡単には外にでることはできない」

「外にも沢山のソンビがいるよ」