「軽率な思い込みはよくないぞ」
千歳の性格を知っている明宏が釘を刺すように呟いた。

「食料全部持っていかなかったのは、ただ両手で持てなかっただけかもしれない」
「そうだけど、生き残りがいることは嬉しいことだよね?」

「もちろん。仲間になれるような相手だったらな」
明宏はそう言うと、一箱分のパンを持ち上げた。

「千歳はこれを持って。俺は飲み物を持って行く」
こうして、どうにか食料を調達することには成功したのだった。