「これ、いくつか減ってるみたいだな」
保管されていたパンのケースを確認すると、何箱か空になっていることに気がついたのだ。

「ソンビ化が進む前に誰かが買いに来たとか?」
「それもあるかもしれない。でも、それにしてはなくなってる量が多いみたいだから、俺たちみたいな生き残りが持っていったのかも知れない」

明宏の言葉に千歳が目を輝かせる。
自分たちの他に生き残りがいるのなら心強い。
こうして食料を残しておいてくれるくらいだから、きっといい人たちだ。