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ようやくたどり着いた食堂の中はガランとしてた。
ゾンビや生きた人間の姿はどこにも見られない。

ゾンビはドアを開閉できないからだけど、人間がいないのは不思議だった。
もしかして他のみんなはもうゾンビ化してしまったんだろうか。

そんな、嫌な予感が明宏の胸に広がっていく。
「食堂は綺麗だね」
千歳がホッとしたように呟いた。

どこもかしこもゾンビ化した生徒や先生によって荒れた学校内で、唯一キレイな場所かもしれない。
「みんなここには入って来れないみたいだな」

「私達みたいな生徒……生き残りっていうのかな? 生き残っている子たちはもういないってこと?」
「わからないけど、その可能性もあるかもしれないと思って」