手前の壁には自販機が並んでいて、奥が販売、調理スペースになっている。
このまま一気にあの扉まで行ける!

明宏がそう思った次の瞬間だった。
何の気配も感じられなかった職員室のドアから一体のゾンビが現れたのだ。

職員室は食堂の手前に位置していて、相手はスーツを来た男性だ。
すぐに先生だとわかったけれど、顔はただれていて誰なのかよくわからない状態になっている。

ソンビは2人の存在にすぐに気がついて近づいてきた。
映画でよく見るように両手をだらしなくこちらへ向けて伸ばしている。

「いやっ!」
後ろで千歳が悲鳴を上げる。
「少し下がってて!」

明宏はそう言うとジリジリと近づいてくるゾンビへ向けてモップの柄を振り下ろした。
それは頭部にヒットして、ゾンビの動きが更に怠慢になる。