実際にゾンビと戦わないといけなくなったときには、これしかないからどうにかする他ない。
試しにトイレの掃除道具入れも確認してみたけれど、入っているものはほぼ同じだった。

ホウキにモップ。
バケツに雑巾。
これじゃ持っていても持っていなくても同じようなものだった。

しばらくトイレで休憩したおかげで心音は通常へ戻りつつある。
「そろそろ行くか?」
「そうだね。いつまでもここにいるわけにはいかないし」

千歳は重たい体を持ち上げるようにして立ち上がった。
食欲はないけれど、今日はまだ
朝ごはんしか食べていないことを思い出した。

これでは体力が消耗していても不思議ではない。
食堂になにか美味しいものが残っていればいいけれど。