「明宏の知識は間違ってなかったね」
ゾンビは音に反応することを言っているんだろう。

明宏は頷いた。
「ほとんどのゾンビ映画がそうだからだよ。実際にゾンビなんていないと思ってたけど、本物のゾンビにも適用されるみたいだな」

「強さはどう? やっぱり、強いのかな?」
千歳は自分の持っているホウキへ視線を向けてつぶやく。

やっぱり武器に不安があるんだろう。
それは明宏も同じだった。

「どうかな。映画の中ではナイフとか銃とかで倒していってるのが多いかな」
「棒は?」
聞かれて明宏は左右に首を振った。

その場しのぎで攻撃して逃げ出す時には使っているかもしれないけれど、ソンビを倒すことができる武器じゃないと思う。
けれどそれは言わなかった。