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その頃、飯島西高校の1階にある空き教室では数人の女子生徒たちが集まってきていた。
彼女たちはオカルト研究会のメンバーで、その活動内容が相応しくないと公式な部活動として認められていなかった。

系5人の女子生徒ばかりで作られたこの研究会は、自分たちの気の向くときに校舎内のどこかに集合してひそかに活動を続けていた。
その活動内容は主に学校や街など、自分たちにとってゆかりのある場所の伝承を調べることだった。

伝承と言ってもそれはほとんどオカルト的な内容のものばかりで、今日はその伝承のひとつを解明するために集まった。
「テストが始まる前に教科書を読み直しておかないと」
「テスト勉強は昨日の内に終わらせるように言ったじゃん。今日は大切な日なんだから」

「だって、時間がなくて……」
空き教室からはそんな声がボソボソと聞こえてくる。