『で、でも今回は自信がないから』
今にも消え入りそうな声で答える。

『はぁ? なに言ってんのあんた?』
どうせ嘘だと捉えた育美は凄みを利かせた声で言う。

『ほ、本当なんだ。だって君たち3人は何度も授業を中断させるじゃないか。そんな中で勉強なんて、できるわけないだろ?』
男子生徒の言っていることは正論だった。

育美も田中も村上も1日に2度は授業を止めるようなことをしている。
教室内で騒ぐのは当然のこと、先生イジメに近いことをして新人教師が泣きながら教室から逃げていったこともある。

そんな中でまともに授業を受けている生徒なんて、いないに決まっていた。
だけどそう言われて素直に認める3人じゃない。
育美はすぐに男子生徒の机を両手でバンッ!と叩いていた。