☆☆☆

それからどれくらい時間が経過しただろうか。
話し声が聞こえてきて育美は目を開けた。

体が痛くて上半身を起こすとき、ようやく自分が机をベッド代わりにして眠っていたことを思い出す。
スマホは壊滅的な状態になっていたけれど、幸い電気はまだ通じているようで、空き教室は快適な温度に保たれていた。

物置状態になった教室でも、エアコンだけはそのまま残されていたことは幸いだった。
「いてて」

顔をしかめて背中をさすりながら起き上がると、テレビの前に集合している4人のクラスメートたちの姿があった。
話し声はテレビの中から聞こえてきていたようだ。
「そのテレビ生きてたんだ?」