千歳が聞くと、青葉は自分のスマホを机に置いた。
「私達も何度も試してみたけれど、通じなかった。SNSとかも使えない」

「嘘!?」
青葉の言葉に慌てて確認してみると、言っていたとおりスマホはうんともすんとも反応しなくなっていたのだ。
電波はちゃんとあるのに、こんなことが起こるなんておかしい。

「今回のことと関係あるのかもしれない」
そう言ったのは若葉だ。
若葉のスマホもダメだったんだろう。

千歳は育美へ視線を向けるが、育美も左右に首を振っただけだった。
明宏が窓に近づいて薄いカーテンを開いてみると、外には沢山の生徒たちに混ざって近隣住民の姿も見えた。