「どうしたの?」
横から千歳が心配そうに声をかける。
そういえば救急車の到着もまだだ。

さすがにもう来てもいい頃なのに。
癖で黒板の上にある時計を見てしまうけれど、時計はすでに壊れて止まっていた。

「つながらない」
何度試してみても電話は通じないみたいだ。

千歳も自分のスマホで試してみたけれど、結果は同じだった。
「やっぱり通じないんだね」

落胆した声で言ったのは青葉だ。
「やっぱりってどういうこと?」