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全力で走って明宏がたどり着いた先は、1階の空き教室だった。
ここは物置として使われているが、いつでも鍵が開いていることを知っていた。

今も鍵が開いているかどうかは掛けだった。
後ろには逃げ惑う生徒たちの姿もある。

そのももっと後ろにはきっとゾンビ化した生徒や先生が追いかけてきているに違いなかったから。
明宏がその教室にたどり着いてドアを開けたのはまさに幸運だった。

中にはすでに3人の女子生徒たちがいて、今まさにドアの鍵を閉めようと動いたところだった。
突如駆け込んできた明宏と千歳の存在に目を丸くしながらも、すぐにドアを閉めて鍵をかけた。
明宏と千歳は荒い呼吸を繰り返してその場に座り込んでしまった。