ふたりの間に重たい沈黙がのしかかってくる。
せっかく学校から脱出することに成功したのに、これじゃ自分を危険に晒しただけになってしまう。

「なにか他に手段はないのかな……」
例えば土を掘ってトンネルを作り、そこから脱出するとか。
ダメだ。

そんなの何ヶ月かかるかわからない。
その間にソンビたちに襲われたらおしまいだ。

じゃあ、空はどうだろう?
パラグライダーみたいなもので空を飛んで外に出るんだ。
それもダメ。

他の誰かに見つかって銃で追撃されたらおしまいだ。
浮かんでくる案はことごとく失敗に終わる妄想によって打ち砕かれていく。