「今日はどうする?」
「できればバリケードまで行きたいと思ってる」

街の端にあるバリケード。
徒歩だと何時間もかかるから、車やバイクを使ったほうがいい。
工場の外には従業員が使っていた乗り物が乗り捨てられた状態で放置されていたはずだ。

「車ならソンビたちが来ても安全かもしれないな」
明宏も同意している。

問題なのは道にも沢山の車が放置されているかもしれないということだった。
「ちょっと調べてみようか」

今街の状況がどうなっているのか調べてみないことには、行動に移せない。
千歳はスマホを取り出してネットニュースを確認した。

幸いにも、ここ数日間はネットニュースもテレビニュースもこの街のことばかりを報道してくれている。
手に入れたい情報はいとも容易く手に入れることができた。

《私は今○○街の入口にきています。入り口には頑丈なバリゲードが設置され、何者も入れない、外にも出られないようになっています》