「爆弾を作ったことがないからわからないけど、前にニュースで見たんだ。教室でシャーペンの筒に火薬を詰めて遊んでたらその場で爆発したって」

「それ私も見たことある。でもそれだと作ってる途中に爆発するかもしれないってことだよね?」
ニュースの内容では、その子は指を一本失ってしまったはずだ。

「じゃあ、選べばいい」
「選ぶって?」
「このまま化学室で野垂れ死ぬか、外に出てできるだけ逃げるか」

村上に二択を突きつけられた千歳は考える間もなかった。
「私も爆弾作りを手伝う」
そう返事をしていたのだった。