「このまま学校から出られないのかな」
「わからない。ここが化学室だから、色々と実験してみてたところだったんだ」

村上はそう言うとダンボールの中から透明な筒を取り出した。
「それはなに?」
「だたの筒。だけどこれに火薬を入れれば簡単な爆弾になる。ゾンビが火に弱いことは知ってるよな?」

千歳は頷いた。
「きっと、爆弾は有効だ。それほど威力がなくても、何個も作って巻いていけばゾンビたちは近づけないはずだ」

「それなら外へ出てバリケードまで行くことができるってこと?」
「100パーセント可能だとは言わないけど、できる可能性は高くなるよな」

その言葉に千歳は目を輝かせた。
村上たちがどうして化学室に身を隠していたのか理解できた気がする。

「筒は全部で20個ある。火薬はこれを使う」
村上がダンボールから取り出したのは花火の大袋だった。

「この花火どうしたの!?」
「元々俺と田中が学校に持ってきてたんだ。テスト終わりに派手にやろうと思って」

村上はそう言って笑った。
「ちゃんと爆発する?」