ねっとりとした唾液の感触に一気に吐き気がこみ上げてくる。
気持ち悪さを押し殺してそのまま数秒我慢した。

そしてゆっくりと目を開けると……。
視線がぶつかった。
ふたつの目が目の前にあって千歳を見ている。

その目は困惑した様子でウロウロと動き回り、そしてまた千歳を見た。
戻った……。
ホッとして顔を離す。

椅子に座っていたのは思っていた通り可愛い女の子だった。
肌の色もよく、ただれもすでに治っている。
「真那!!」