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嘘でしょ、なにこれ。
そんなこと、現実に起きるわけがない。
千歳は悪夢を見ている気持ちで教室内の光景を見ていた。

1度は死んだと思われた女子生徒が突如起き上がり、保険の先生に襲いかかった。
そして先生の首筋に噛みつき、肉を引きちぎったのだ。

明宏はその時にようやく教室から逃げ出していた。
けれど、今度は今まで襲われていたはずの先生が動き出し、こちらを見つめているのだ。

その口からは長く伸びた犬歯が見えている。
「明宏これどうなってるの!? なにが起きてるの!?」

「わからない。でも逃げるぞ!」
明宏が千歳の手を握りしめて走り出す。

他の生徒たちも上へ下へと逃げ惑っている。
「外へ行こう」