そこにも廊下が伸びていて、左右には化学室や美術室など専門的な勉強をするための教室が並んでいる。
廊下には3体のゾンビたちがいるけれど、まだ千歳の存在には気がついていなかった。

一体一体倒していては体力が消耗してしまう。
ここは一気に駆け抜けるのがよさそうだ。

「大丈夫。私ならできる」
千歳は自分に言い聞かせるように呟く。
とにかくここを突破して奥へ進む。

家庭科の授業で使う調理室へ行けば、包丁やバーナーがある。
モップよりも強力な武器があれば外に出られるかも知れない。

千歳は何度も深呼吸をして3体のゾンビたちへ視線を向けた。
てんでバラバラの咆哮を向いてフラフラとなんの意思もなくさまよっている。

廊下の中央がちょうど開けていた。
今だ!

頭の中で自分に合図を出して駆け出した。
すぐさまゾンビたちがこちらへ視線を向ける。