そもそも、ただのクラスメートだとは思っていないから、危険を犯してまでキスができたに違いない。
「もしかしてあんたたち……」

千歳はそこまで言って口を閉じる。
見つめ合っているふたりを見ていると、その関係が昨日今日で築かれたものではないということがわかる。

千歳から血の気が引いていき、明宏の手を振りは払っていた。
「いつから!? いつからそんな関係なの!?」

つい、声が荒くなる。
大きな声を出すことでゾンビたちが集まってくる危険があるのに、そんなこと考えていられなかった。

「なに言ってるんだ?」
明宏が怪訝そうな顔を千歳へ向けた。

「しらばっくれないでよ。私に黙ってふたりでこそこそと……」
「俺は友達を元に戻しただけだろ。なにがいけないんだよ」