その様子に明宏は眉間にシワを寄せた。
女子生徒が横になっていた床には血だまりができていて、女子生徒の制服も真っ赤にそまっている。

それなのにごく普通に起き上がってきたことには大きな違和感があった。
「あの子生きてたんだ、よかった」
千歳が安堵して呟いたのもつかの間のことだった。

突然女子生徒が先生に掴みかかり、その首筋に歯を立てたのだ。
「キャア!」
悲鳴を上げて必死に女子生徒から逃げようとするが、想像を絶する力で羽交い締めにされて動けない。

「先生!」
咄嗟に明宏が駆け出していた。
襲われている先生の体を後ろから抱きしめるようにして女子生徒から話そうとする。

だけどその体はびくともしなかった。