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それからふたりは職員室の中でなにか使えるものがないか探していた。
モップは使いすぎてボロボロだ。
千歳は職員室の掃除道具入れから新しいモップを2本拝借した。

その間に明宏がバーナーを見つけていた。
「こんなの、なにに使ってたんだろうな」

バーナーのガスは新しく、満帆に入っている。
試しに出力を上げて噴射してみるとゴォォ! と炎が上がる。

「結構威力があるんだね」
千歳は驚いて数歩距離を取った。

「そうだな。それに、火があればなにかと便利かもしれない」
今はそれほど使いみちを思いつかないけれど、これから先、もし外へ出られたら使う頻度は増えそうだ。
「よし、一旦保健室へ戻ろうか」

明宏に言われて千歳は頷いたのだった。