ファイルをすべて調べてみても、久子という生徒を発見することはできなかった。
やっぱりあればデマだったんだろうか。

落胆すると疲労が重たくのしかかってくる。
ふたりは職員室の椅子に座り込んでしばらく休憩を取ることにした。

ドアは閉めてあるけれど、いつ開けられるかわからない。
そんな恐怖もある中だ。

「先生たちはどうすればいいと思う?」
床に倒れている2体のゾンビへ視線を向けて千歳が言う。

「人間に戻すかどうかって話か?」
「うん。先生たちなら久子って人のことをなにか知ってるかもしれない。今ならキスすることもできる」

倒れた先生たちは死んでいるわけじゃなかった。
生きているが、意識がない。
いずれ目をさますかも知れない。

その前にキスをすれば人間に戻り、話を聞くことができる。