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「大丈夫か?」
千歳は職員室の中で膝をついて呼吸を荒くしていた。
目の前にはさっき倒したばかりの先生の体がある。

「大丈夫だよ……」
答えながらもその声は震えてうまく発音できなかった。
「気が付かなかったんだ。ごめん」

千歳は左右に首をふる。
こんな状況じゃ自分の命を守ることで精一杯だ。
相手のことを考えている余裕なんてないに決まっている。

「なにか調べられた?」
「とりあえず先生たちの名簿を調べてみたけれど、久子って名前の人はいなかった」

明宏はそう言いながら千歳の体を支えて立ち上がらっせた。
そして近くの椅子に座らせる。
「生徒の名簿は量が多いから、1人じゃ無理だ」

明宏はそう言うと一旦書棚へ戻ってファイルを持って戻ってきた。
そこには《20××年度 生徒情報》と書かれている。