千歳は思い切って振り向いた。
そこに立っていたのは皮膚がただれてゾンビ化した先生だった。

白衣を着ていることで科学の先生だとわかった。
ひょろりと細い体をゆらゆらと揺らして千歳を見ている。

そしてカッと口が開かれたその瞬間、千歳はモップを振り上げ、振り下ろしていた。
「いやぁ!」

悲鳴をあげて攻撃すると、化学教師の体はグラリと揺れて横倒しに倒れ込む。
倒れたところをまた何度も殴りつけた。
「千歳!」

気がついた明宏が駆け寄る頃にはすでに先生は動きを止めていたのだった。