「うん……」
でもまだ学校内のどこかにはいるはずだ。
千歳は自分の体を抱きしめてどうにか震えを抑え込んだ。

「ダメ……」
教室からそんな声が聞こえてきて窓から中を確認してみると、保険の先生が襲われた女子生徒の脈を確認しているところだった。
でも、今ダメって言ったよね?

それってもしかして……。
床に寝そべったまま動かないその子は、白い顔になって目をつむっている。

さっきから指先の一つも動いていないのがわかった。
傷口からの出血はすでに止まっているけれど、床には大きな血溜まりができている。

まさか、出血多量で……。
そこまで考えてまた気分が悪くなり、うつむいた。