青葉はその場に膝をついて若葉の肩を揺する。
若葉からの反応はない。
「起きてよ若葉」

「ダメだよ青葉。それ以上近づいちゃダメ」
千歳が青葉に手を差し伸べる。

若葉はすでに噛まれてしまった。
感染していればすぐに目を覚まして今度は自分たちを攻撃してくるだろう。

だけど青葉はその場に膝をついたまま動かない。
何度も若葉の名前を読んで泣きじゃくり始めてしまった。

千歳は助けを求めるように明宏へ視線を向ける。
明宏はチラリと周囲に視線を走らせて、最寄りの保健室のドアを開いた。