育美は決心したようにホウキを受け取り、そして青葉もモップを持った。
それぞれに武器を持ち、教室のドアへと視線を向ける。

きっと、もうここには戻ってこないだろう。
そんな予感が胸にあって千歳は1度教室内を見回した。

育美が拾った鏡が教卓の上にあり、天井を映し出している。
その鏡の中に一瞬女の顔が見えた気がしたけれど、それはきっと、気のせいだ。