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翌日、全員が起き出してきたタイミングで千歳は昨日の晩見たゾンビについて説明をした。
「そのゾンビには人間としての知能が残っていたか、またはゾンビとしての知能が発達したかのどちらかだな」

明宏が難しそうな顔で手に顎をあててつぶやく。
「これから先もそうしたゾンビが出てくるかも知れないよね?」

千歳の質問に頷いた。
「可能性はあるな。この数のゾンビたちみんなが知能を持ち始めると、さすがにまずいことになる」

「じゃあどうしろっていうの!?」
育美が苛立ったように椅子を蹴る。

ガンッと大きな音がして明宏が育美を睨みつけた。
「それを今から考えるんだろ? イライラしてても仕方ないじゃないか」

「だったらさっさと考えてよ! 私は家に帰りたいんだから!」
育美は髪をかき乱す。