明宏が育美を睨みつけて黙らせた。
ここにいる中で一番休息が足りていないのは四条姉妹だ。

四条姉妹は音を立てる役割を買って出てくれているから、一歩もこの教室から出ていない。
そういうところも眠れない原因になっているかもしれない。

育美はチッと小さく舌打ちをしてそっぽを向いてしまった。
「千歳、最初の見張りを頼んでいいか?」
「もちろん」

千歳は明宏からモップを受け取った。
モップの柄はすでに曲がってしまっている。

「2時間したら起こしてくれ」
「うん。それじゃおやすみ」
千歳はみんなに声をかけて教室の電気を消したのだった。