昼間眠ってしまったせいで、千歳は夜になっても眠くならなかった。
「俺たちも昼間少し寝たんだ。だから今夜は交代で見張りを立てないか?」

そう提案したのは明宏だ。
みんなの顔にすでに疲れが張り付いてしまっている。

四条姉妹の目の下には黒いクマがあった。
「教室にゾンビは入って来ないのに、どうして見張りが必要なの?」

育美が質問してくる。
「入ってこないとわかっていても、前の晩はみんな不安で眠れなかったんだ。だから今夜はしっかり眠るために見張りを立てるんだ」
「私も、それに賛成する」

すぐに眠れそうになかった千歳が手を上げて賛成した。
「私達もいいよ。しっかり眠りたいから」
四条姉妹はすでに目を細めていて、今にも眠ってしまいそうだ。

「四条姉妹は今晩はゆっくり寝るといい。見張りは残りの3人でやる」
「はぁ? なにそれ。なんで双子だけ見張り役をしないていいのよ」
「見ればわかるだろ」