「ゾンビに戻るならわざわざリスクを背負ってキスする必要はないってことだね」
育美が言う。
確かにそう言えるかもしれない。

だけどそれでは現状がなにも変わらないままだ。
なにかを変えたいなら、行動を続けないといけない。

「今日は収穫があったといってもいいと思う。そんなに物事が急展開することってないから」
千歳が全員を慰めるように言う。
少なくてもなにもわからない当初に比べれば今日は進歩があったはずだ。

そう思うと、急激に疲れが押し寄せてきた。
夜しっかり眠れていないこともあって、その場に横になる。
目を閉じるとすぐに睡魔に引き込まれていったのだった。